もっとも~っと知ってほしい!

細胞と水がひとつになったことで生まれた、
ふしぎな生き物。
人懐っこいが、おっちょこちょいでよくポカをする。


今から35億年以上も前のこと、
ある小さな湧水地で
ひとつの細胞が生まれました。
細胞は、長い年月をかけて、
世界各地の海、河川を漂い、関西へ。

やがて、大阪という町にたどりつきます。
そこは水の都と呼ばれる、水運の発達した町。
活気があって、
人々がいきいきと暮らしていました。
細胞は、人間たちと、ともだちになりたくて、
自由に動かせる手を持ち、
二足歩行をするようになります。
それは人間にあこがれて、
その姿をまねたからです。
こうして、
水と細胞でできた不思議な生き物が誕生。
人間の前に姿をあらわしました。

ある日、人間たちはこの生き物に
呼び名をつけようと考えます。
大勢で知恵を絞り、
つけた呼び名はミャクミャク。
この生き物がすべてのいのちの源である
水と細胞でできていることから、
いのちの象徴としての「脈」。
また、過去から受け継いだ知恵や技術、
歴史や文化、
さらなる希望を未来へ
「脈々」とつないでいきたい、
という願いをその呼び名に託しました。
「ミャクミャク」は、
自分につけられたその名前を
とても気に入りました。

ミャクミャクのからだは
清い水でできています。
だから自然界の水を、
自分のからだのように大切に思っています。
また、水には細胞の頃から
これまでに出会った、
たくさんのいのちが棲んでいます。
ミャクミャクにとって、
あらゆるいのちが、ともだちです。
ミャクミャクが通ったあとは、
大地が潤い、草木が育ちます。
うつくしい花が咲き、実がなります。
水は澄みわたり、
いのちある生き物が
いきいきと活動しはじめるのです。
ミャクミャクには、
いのちを輝かせるちからが
あるのかもしれません。

ミャクミャクの特徴のひとつが6つの目。
どんなものでも全方向あらゆる角度から
見ることができます。
それだけではありません。
望遠鏡のように遥か遠くを見ることも、
顕微鏡のように
小さな小さな世界を見ることもできます。
過去だって見られます。
未来を見ることだってできるのです。
生き物たちの心の中だって見られるのです。
好奇心旺盛なミャクミャクは、
この6つの目を使って、
世の中のすべてのものを
ワクワク、ドキドキしながら見つめています。

人間が表情で感情をあらわすように、
ミャクミャクはからだのかたちを変化させて、
感情を表現しています。
たとえば、
"うれしい"や"楽しい"がみなぎると、
背中に水蒸気の羽が現れたり、
"悲しい"や"こわい"で不安になった時は、
からだを氷で覆ったりして、身を守ります。
また、ミャクミャクはしっぽの先に、
水滴のお守りを忍ばせています。
このお守りにちからをこめることで
感情を表すことができます。
ミャクミャクを見つけたら、
じっくりと観察してみてください。
あなたに会えた喜びが
あらわれているかもしれません。

何かを伝えたい時には、
からだの色が変わります。
普段、ミャクミャクは赤と青です。
もし、色の違うミャクミャクを見つけたら、
それは何かメッセージを
伝えようとしているのかもしれません。
野山の大切さを訴えるときは、まばゆい緑。
海の環境を守ってほしいときは、澄んだ青。
光の尊さを伝えたいときは、
あたたかいあかりの色。
伝えたいことに合わせて、色を変え、
自分の思いを表現しています。

人間とふれあう機会が増え、
ミャクミャクはもどかしさを
感じるようになってきました。
「社会の未来」や「いのちの大切さ」、
「いのちとの向き合い方」…。
人間といろんなことを話したくなったのです。
ミャクミャクは人間の言葉を覚え、
少しずつ披露しはじめました。
これからさらに
新しい言葉を覚えていくことでしょう。
いつか世界各国の言葉で
コミュニケーションできるように
なるかもしれません。

ミャクミャクは生まれたときから、
波や風、水にまつわる
たくさんの音色にずっと触れてきました。
その音色が、リズムが、
からだの奥に染み込んでいます。
人々が集まる場所、にぎやかな場所では、
楽しい気持ちが大きくふくらみ、
からだが自然にリズムを刻み始めます。
頭やしっぽがぐるぐると回り、
軽快な動きで躍動します。
いろいろな音楽に合わせて踊り、
世界中の人々とふれあう。
その時をミャクミャクは待ちこがれています。

どんな出会いがあるか。
どんな体験ができるか。
ミャクミャクは大阪・関西万博を
こころ待ちにしていました。
テーマである
「いのち輝く未来社会のデザイン」にも
興味津々です。
人間たちが取り組んでいる
SDGsという活動にも
関心を寄せています。
未来を見通すことができる
ミャクミャクの目には
すべてのいのちがキラキラと輝く
未来社会が映っているかもしれません。

大阪・関西万博が終わると
ミャクミャクはどこへ行くのでしょうか?
消えていなくなってしまうのでしょうか?
いえ、決してそんなことはありません。
もしかしたら、ミャクミャクの姿を
人間が見ることは少なくなるかもしれません。
だけど、ミャクミャクは人間一人ひとりの
心の中でその名の通り、脈々と生き続け、
語り継がれていくのです。
ミャクミャクが残した
たくさんのメッセージや思い出とともに。